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保険医療に携わっている薬剤師として「先進医療」の制度を患者さんに説明できますか?

まずは復習といった感じで、日本の医療保険制度を辿ってみましょう。

日本の医療保険制度の特徴

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日本の国民の全ての者が、日本にあるどれかの公的な医療保険に加入しています。

収入に合わせた保険料を納めることで、一部負担金のみで皆が全員、同じ医療サービス(診察、検査、治療等)を受けることができます。

医療保険が適用されるには、指定を受けた医療機関、薬局(保険医療機関、保険薬局)で保険医、保険薬剤師により決められた医療技術や医薬品を使用した場合です。

日本の医療制度は、これらを利用して行われることで適用となる保険診療と、利用しない、つまり保険適用とはならない自由診療を組み合わせた混合医療があります。しかし、一部に自由診療が組み込まれた場合は、その診療全体が保険対象外となります。

選定療養と評価療養

厚生大臣が定める選定療養と評価療養は例外です。

これらは保険適用外ですが、保険診療に併せて保険請求することが可能です。

※選定療養

時間外診療、差額ベッド代、一部の歯科診療等でそれをやるかやらないかは患者さんが選定できる、付加価値的な療養です。

※評価療養

将来、保険の対象として認めるか認めないか等、評価が必要な療養のことで治験に関わる療養と並んで、ここに先進医療が含まれるのです。

先進医療とは?

ここでの先進医療は、高度で先進的な医療技術を用いた療養で保険適用にはなっていないが、厚生労働大臣が認めた医療を指します。

※先進医療が保険診療との併用が認められている理由

  1. 先進医療技術が、保険適用に適合するかしないかを速やかに、また安全に評価をすること
  2. 患者さんの治療の選択肢を広げ、利便性が確保されていること

このようなことを有効、安全に評価をするために、先進医療はその医療技術ごとに、それを行う為の一定の施設基準が決められています。

その決められた私設基準に該当する医療機関が、届出を行うことで保険診療との併用ができるようになるのです。

そして医療機関が、届出を行った医療技術について定期的に報告し、保険適用できるかできないかを判断する材料とします。

この結果で保険適用可となるか、否となり、先進医療から削除されるかといった振り分けが行われます。

先進医療は患者さんの意思も重要

先進医療とは高度な技術、最先端の医療を約束したものではありません。

それを行うには患者さんへの説明、同意が必ず必要となってきます。

またその適応や指定された医療機関は極めて限定されています。

先進医療と言われているものはどんなもの?

よく実施されているのは、白内障の治療で「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」です。

全体を見てみると、やはりがんの診断、治療に関するものが増えてきています。

テレビなどでも良く紹介されている陽子線・重粒子線による治療も先進医療です。

先進医療には、卵巣がんや腹膜がん等の治療で「パクリタキセル静脈内投与およびカルボプラチン腹腔内投与の併用療法」等のように承認された薬の保険適用でない用法、用量での使用も含まれています。

先進医療の費用

2012年のデータですが、一年間に先進医療を受けた患者さんの人数は14500人。

保険適用外で支払われた費用は約100億円。単純計算で一人当たり約69万円の費用がかかっています。

医療技術ごとにデータを見ると、約1~300万円強と、かなりの金額差がありました。

大変、お金がかかるイメージが強いですが、100万円単位の高額な先進医療は極一部と言われています。