薬局で、インスリンなど保冷が必要な医薬品の保存にどんな保冷庫をお使いでしょうか?

今回は、家庭用冷蔵庫と医薬品用保冷庫の違いを御紹介します。

霜とりの仕組みが違う

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一番大きな差が温度管理の精度です。家庭用などの冷蔵庫は、コンプレッサーという冷却装置で冷却した空気を冷蔵庫全体に行き渡らせて冷却するというシステムになっています。

そのため、使い続けていると、空気中に浮遊した水分が冷却装置について霜が溜まります。コンプレッサーに霜がつくと冷えにくくなるため、定期的に霜とりをしなければいけません。

この霜とりのシステムに医薬品用保冷庫と家庭用冷蔵庫との違いがあり、温度管理に影響が出てしまうのです。両者は共に霜とりが自動的に行われるようになっています。

家庭用冷蔵庫の霜とりの機能は、作動回数が少ないので、比較的多く霜が貯まりやすい状態になっています。そのため、霜とりの時に過剰な熱が発生し、冷蔵庫内の温度が一時的に上昇してしまいます。

一方、医薬品用保冷庫は、コンプレッサーに組み込まれたヒーターが頻繁に作動してコンプレッサーに霜がつきにくくしているので、保冷庫内の一時的な温度の上昇が抑えられ、温度が一定に保たれているシステムになっています。

温度設定の違い

家庭用冷蔵庫の温度設定は、「強」「中」「弱」の3段階で出来るようになっています。医薬品用保冷庫の場合は、「5℃」「0℃」というように温度を細かく設定することが可能です。

また、家庭用冷蔵庫は構造上、温度にムラができやすく、冷気の吹き出し口の周りが0℃ぐらいまでに下がるのでインスリンなどは凍結してしまう恐れがあります。

一方、医薬品用保冷庫は、扉が長い間、開いていた時など保冷庫内の温度が上がりますが、その場合、警報が鳴ったりするなど管理機能が充実しています。

麻薬の金庫を取り付けられる

医薬品用保冷庫は、温度記録計や麻薬管理用金庫を保冷庫の中に取り付けることが可能です。

さらに扉がガラス製なので、中に入っている医薬品の在庫状況を扉を開けずにみることができます。

医薬品用保冷庫の価格は、20数万円以上と高価ではありますが、このようなメリットがあるため、医薬品用保冷庫を購入して設置している薬局が多いようです。

薬局に設置される機器は家庭用のものでも使えそうですが、やはり専用品のほうが精度が良好です。ただ、値段もかなり高めではあります。

大きなチェーン薬局ならいいですが、小さな個人薬局であれば、結構な出費です。

家庭用冷蔵庫でも薬局内の設置は、法的に認められています。予算的に難しいのであれば、家庭用冷蔵庫の冷却方法などをよく調べ、その冷蔵庫の欠点を把握し、それを補う方法を見つけて医薬品の保管が可能と判断できるのであれば、家庭用冷蔵庫でも構わないと考えます。