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添付文書を見ても、そんなに詳しくは書いてありません。

万が一、誤った指導でもすれば、胎児への影響「流産」「催奇形」などのよからぬ言葉が頭妊婦への服薬指導。

そんなに頻度はないけれど、ちょっと緊張してしまいますよね。

不安でいっぱいの妊婦さんたちに、薬剤師はどう対面していけばいいのでしょうか?

妊娠しているかも? この薬は飲んでもいい?

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薬局薬剤師がよく遭遇する質問です。

妊娠しているかもしれないけれど、様々な理由で医師には、まだ相談していないなどと言いつつ、薬を飲むことへの不安を薬局薬剤師に打ち明けることがあります。ましてや相手をした薬剤師が女性だと、そのターゲットにされてしまいます。

薬剤師は、薬の専門家として正確なアドバイス、必要とあれば、医師への的確な疑義照会を目指したいものです。

そうするためには、薬剤の妊婦への影響や胎児の催奇形などを調べ、妊婦が服用してもOKなのか、OKではないのかを判断することになります。

しかし、そうそう、簡単にできません。

添付文書は頼りにならず

真っ先にその薬剤の添付文書を読み込もうとします。妊婦への投与について

  • 「投与しないこと」
  • 「投与しないことが望ましい」
  • 「治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合に飲み投与すること」

と記載されています。

しかし、添付文書のこれらの文章表現で判断するのは、かなり難しいものです。

例えば、投与しないことが望ましい薬剤でも、催奇形性の可能性があるデータなどがあるためにそうなのか、または単に安全性が立証できていないためにそういう表現になる場合などとかがあります。

また、メーカー側から見れば、妊婦患者の数は多くないので、このような場合は、薬の売り上げにはそんなに貢献はしないということが頭にあります。

しかし、妊婦患者さんの場合は本人の体だけでなく、胎児への影響も考えなくてはいけないので、妊婦患者さんは問題が起こりやすいハイリスクな患者さんとして、取り扱います。

そうなれば、問題を起こしたくないメーカーは添付文書には、「投与しない」にしておくほうが無難です。

 

要するに、添付文書の文章表現は、純粋な科学的根拠に基づいた判断で書かれているわけではないということです。

例えば、疑義照会で「添付文書には『投与しないこと』と記載されています」と言っただけでは、医師を納得させることは難しいのです。

医師側から見れば、治療に必要だから、処方したわけです。従って、医師に対して、薬剤師はその薬がどのくらいのリスクがあるのかを、もっと科学的に説明しなくてはいけません。

 

そのような時、頼りになるのがメーカーのMRやDI室です。

メーカーへの質問の仕方にもコツあり

「この薬は妊婦の服用が可能?」という質問は、無意味です。「添付文書に書いてあるとおりです」という答えが返ってくる可能性が大きいです。

メーカーに妊婦の服用に関する情報を要求する時は、「疫学調査や動物実験のデータ、また、妊婦への投与ガイドラインなどの情報がほしい」という言い方がお勧めです。

そして、服用が可能かどうかは、それらの情報やデータを読み込んで、自分で判断することが理想です。

しかし、現実はなかなかそうはいきません。調剤業務で忙しい薬剤師が1人の妊婦患者さんにかかりっきりということはできません。

そんな時に役に立つのが書籍やネット検索です。この手の書籍が沢山、出版されているので自分に合ったものもきっと見つかるはずです。

ひょっとして私、妊娠してる? を見つけ出せ

最近は多くの医師が、妊婦さんの服用する薬に対して慎重になり、危機感を持ちながら、治療しています。

従って、妊婦さんとわかっていながら、期せずして危険な薬が処方されることはまずないと言っていいです。

しかし、本人自身が妊娠に気付いていない場合は別です。昔から医師は「女性を見たら妊婦と思え」という言葉があるようですが、それでも、妊娠に気付かずに薬を出され、服用してしまう例も少なくありません。

そこで、医師だけでなく患者さん自身も妊娠に気付かず、危険な薬剤が処方されている場合、薬局薬剤師はそんな場合を見つけ出すことができるのかどうか、考えてみたいと思います。

危険なのは月経後28~50日まで

まず、最終月経の開始日を0として数えます。28日までに薬を飲んでも、薬による催奇形性の問題はほとんど心配ありません。

つまり、薬を飲んだのが、28日までであれば、受精しないか、受精しても着床しない、流産する、または完全修復、これらのどれかになるからです。

28~50日の間は、胎児の心臓、消化器といった主要な臓器、中枢神経ができてくる時期なので、薬による催奇形が最も出現しやすい時期に相当します。

この時期のことを臨界期と呼びますが、次回の月経日前後に当たります。そのため、月経周期が安定しない女性は、「もしかして、「少し生理が遅れちゃったのかな」ぐらいの認識しかない人も多いです、

一番,避けなければいけないのは、妊娠に気付いた時、「そういえば、ちょっと前に薬、飲んでしまってる」という事態です。

危険な期間に、危険な薬を飲んでしまうことは避けたい

危険な期間に薬を飲んでしまい、「飲まれたお薬は安全性が髙いからそこまでご心配にならなくても大丈夫ですよ」などと言えたにしても、薬を飲んでしまった事実は消えないので、上手く取り除くことができません。

それを避けるために、薬局が病院に次いでの二番目にチェックできる場所になればいいのです

初めて来られた場合は、問診票の中の質問に書いてもらいます。

問診票には、どこの薬局でも「現在、妊娠中ですか?」という欄があります。

最初の患者さんはこれがきっかけでわかったりしますが、見落とし易いのは常連の患者さんです。

妊娠可能な年齢の患者さんの処方薬が危険度の高い薬だった場合は、特に、「生理は順調ですか?」などと尋ね、詳しく問い質す必要があります。

例えば、最終月経の日から28日以上経過していないかどうか……。

月経周期が30~40日という場合でも、28日以上経過していれば、要注意です。