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今、あちこちでサプリメントの広告が目に入ってきます。テレビ、雑誌、電車内広告、インターネット…。なかにはサプリメントなのに医薬品?と思い込んでしまいそうなものまであります。

一般人の間にはサプリメントと医薬品の区別がつかない人もいます。

薬剤師は医薬品とサプリメントの違いを正しく理解し、サプリメントが医療の障害にならないように努めていかなくてはいけません。

日本におけるサプリメントの制度

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日本の制度

トクホ(特定保健用食品)は「健康増進の目的で摂ろうとする人間が、その摂取によって健康増進という目的が期待できるということを表示できる食品」と定義されています。

1991年に特定保健用食品制度が設立された時は、食品の形態をしていることが必須の条件でした。

2001年になると、トクホに栄養機能食品(栄養を補うという意味のサプリメント)を加えた保険機能食品制度が新たに設立されました。

アメリカからの圧力もあり、規制緩和によって錠剤やカプセルの形でも食品であることを明示すれば、販売できるようになりました。そのために錠剤やカプセルのサプリメントが医薬品なのか、食品なのかと紛らわしくなってきたのです。

薬剤師はきちんと把握を

トクホや栄養機能食品といっても食品であり、医薬品とは全く別物です。

その違いをまずは薬剤師が把握しておかなければ、一般の人の誤認を助長してしまいます。

「個別許可型」のトクホの情報は、個別の製品に関するものです。

「規格基準型」の栄養機能食品は高齢化、あるいは不規則な生活のため、食事から必要な栄養素を十分摂ることができない時に利用するものだということを把握しましょう。

アメリカにおいては

2000年に公表された構造・機能表示においては病気を「診断する」「予防する」「治療する」

「軽減する」などの表現は一切、許されないことになっています。

知っておきたいサプリメントの落とし穴

成分名は表示されていても、含有量の表示がない

このような製品が半数以上占めています。含有量が不明だと安全性や有効性の判断が難しくなります。

また、含有量表示のない国内外の製品を集めて検査してみれば、該当の成分が検出できない例が多かったようです。

一つの原材料の含有成分が不明

1つの原材料に複数の成分が入っており、その上、成分の詳細が不明な場合が多かったようです。

相互作用においても、医薬品同志であれば、1対1の成分で考えればいいのですが、サプリメントの場合、例えば, 1対15で考慮しなくてはいけないので有害作用が起きた時原因究明が難しくなってきます。

表示されていない成分が入っている

ダイエット、強壮が主体の製品に多く見られますが、医薬品成分を無表示で違法に添加した無承認無許可医薬品」といわれるものです。

これらはインターネット等を使って海外から個人輸入した製品に多く見られます。

実験の結果を誇大評価する

効果は実験で証明済みなどの宣伝をよく見かけます。

だけど、試験管内の実験、動物実験の結果だけでは、人への効果の有無は判断できません。

ありがちな誤認

言葉のイメージでとらえている

例えば、一般人は天然、自然のモノなら安全で化学合成品は有害と考えています。

しかし、天然物も合成品もきちんと調べられているかいないかの照準に合わせて考えるべきです。

特定成分の摂取量に重点が置かれていない

つまり、サプリメントの成分は微量であれば、効果は出ず、多量に含まれていれば、安全性に問題が出てきます。

医薬品とは異なり、サプリメントは本来、すぐに「効果がある」となってはいけないものです。

健康被害が発生しやすい製品の特徴

ダイエットや性機能改善用のサプリメントが約半数を占めており、医薬品が違法に添加されている場合によく見られました。

また、アレルギー症状も予想以上に報告がされました。

一般の人は天然、自然ものだと安心して服用する傾向があります。

アレルギーに関連する原材料としてはユーカリ、松樹皮抽出物、プロポリス、ローヤルゼリー、サフラン、コンドロイチン硫酸等があります。

すでに何らかのアレルギー症状を起こしたことがある人は特に注意が必要です。

薬剤師ができるサプリメントのチェックポイント

食事摂取基準

ビタミンやミネラル等の摂取は医薬品のように事細かに設定されたものではなく、今日駄目なら明日飲めばいいというような性質のものです。

生の食材から摂取できる範囲には限度がありますが、サプリメントの場合は過剰摂取になってしまいます。

消費者が誤認しない環境づくりが重要

一般消費者がサプリメントを購入する時、家族や友人からの情報を信頼して参考にする場合が多いものです。

薬剤師は有効な情報でも有害な情報でも、「誰が、何を、どれだけの量と期間で摂取し、その後、生体がどのような影響を受けたか」に着目し、情報提供を行うことが重要です。

例えば、海外情報の文献等を鵜呑みせず、あくまでも薬の専門家という中立な立場でそのサプリメントを考え、日本人の食生活や体質に合うかどうかを考えていくべきです。