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この記事では薬剤師目線で食材の効能を分析しています。

今回は「柿」についてご説明します。

柿の歴史

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秋も深くなって道を歩いていると、赤に近いような橙色の柿がたくさん枝にぶら下がっているのが遠くからでもわかります。

このような光景を日本人は千年以上も見続けています。柿を題材にした作品はとても多いし、絵葉書に柿が一つ書いてあるだけでも、実りの秋を感じます。

このように柿は日本を代表する果物で、奈良時代にはすでに商品として流通していました。

原産国は中国ですが、日本で栽培技術が確立され、品種改良が進んできました。

渋柿を干して、渋みの抜けた甘味の強い生食用にするなど、色んな工夫もされてきました。

干し柿は保存が可能なので、貯蔵品としても優れています。柿霜(しそう)と呼ばれる干し柿の表面についている白い粉の成分は純粋なブドウ糖と果糖で、砂糖が貴重だった時代には甘味料として重宝されていました。

「柿が赤くなれば、医者は青くなる」と言われるように、柿の優れた効能は古来から認識されていたようです。

柿の成分

柿の渋みの成分はシブオールというタンニンです。甘柿、渋柿どちらにも含まれています。

ではなぜ、渋柿は渋いのでしょうか?

渋柿や未熟な柿のタンニンは水に溶けやすいため、食べると、唾液に溶けて渋みを感じるからです。

これに対して甘柿のタンニンは、柿が熟すと、タンニンは溶けにくくなり、渋みが口中に出なくなるため、渋みを感じなくなるのです。

甘柿の果肉についている粒粒の黒ゴマは、タンニンが固まって褐色に変化したものです。

タンニンは植物の世界にはたくさん存在していますが、柿のタンニンは特に優れた解で億作用を持っていると言われています。

悪酔いをストップ!

「酒を飲む前に柿を食べると悪酔いしない」とよく言われますよね。それは柿のタンニンが関係しているようです。元禄時代の医師である人見必大が書いた「本朝食艦」にも(柿は酒毒を解す)と記されています。

悪酔いの原因は、アルコールが肝臓で分解された時にできるアセトアルデヒドです。飲酒後、血中アルコール濃度は約一時間でピークに達します。その後は減少する一方ですが、悪酔い物質のアセトアルデヒトはその後から増え続け、頭痛やおう吐を引き起こしてしまいます。この時、体内にタンニンがあると、アセトアルデヒトとくっついて、アセトアルデヒドを外に出してくれます。

また、柿に含まれるカタラーゼという酵素が働き、アルコールやアセトアルデヒドの分解を促進してくれます。

従って、飲み過ぎた後の二日酔いにも効果的です。二日酔いの色んな症状、頭痛、吐き気、だるさはアセトアルデヒドが体の中に溜まり、アルコールによる脱水症状、エネルギー消耗による低血糖が引き起こすものです。

そんな状態の時に柿を食べると、アセトアルデヒドの排出や分解が促進され、同時に体内に吸収されやすい果糖が消失したエネルギーを素早く補給します。

その時、一緒に水分もとれば、柿にたくさん含まれているカリウムの利尿作用で、二日酔いの症状改善が見らえます。

血圧を下げる柿

柿のタンニンは、毛細血管の透過性を高める働きがあり、カリウムの利尿作用との相乗効果で血圧を下げます。

柿に含まれる食物繊維のペクチンがコレステロールを下げてくれるので、動脈効果の予防も期待できます。

柿を食べると風邪をひきにくいと言われる理由

柿にはたくさんのニタミンAとビタミンCが含まれています。これらのビタミンが体の抵抗力や免疫力を高めてくれます。

甘柿のビタミンC量は100g中、70mgと柑橘類と同じぐらい含まれています。

ビタミンAも干し柿にすると、生柿の約3倍の効力があると言われています、そして、柿の葉にもビタミンCやタンニンがたくさん含まれています。

柿の葉をお茶にして手軽に飲めるようにした製品がドラッグストアなどで売られています。

一日に必要なビタミンCを柿で補給するのであれば、大き目の柿1つで十分です。

タンニンを摂りすぎると、便秘になったり、鉄の吸収を妨げるので食べ過ぎないように注意しましょう。