aki-1

今から10年以上前にも遡る事件ですが、現在でもありえることと、警告の意味合いを含めて紹介します。

当時、無資格調剤にまつわる事件が発覚し、その一年後、経営者夫妻に「懲役一年、執行猶予2年」という判決が下されました。

無資格調剤を行った

この事件は、無資格の従業員に調剤をさせていた容疑で薬局経営者が逮捕され、厳しい法の処分を受けたという内容の事件です。

無資格調剤に対してこのような本格的に司法が入り込んできたのは、当時が初めてと言われています。

第三者の通報が元で、A薬局に保健所の立入検査が行われました。

調査の結果、約8か月に渡り、管理薬剤師には薬局の管理をさせず、無資格の従業員に調剤をやらせていることがわかりました。

県はA薬局を41日間の業務停止処分を言い渡しました。その数カ月後、県警が薬事法、薬剤師法違反で薬局開設者とその妻を逮捕しました。

何故、刑事責任まで進展してしまったのか?

mushikaku-tyouzai-1

薬剤師で弁護士でもある人物の話では「調剤事故は皆無で、無資格者に調剤をさせていたというだけで刑事責任を問われたの初めてのケース。

司法のメスを入れなくてはいけない理由があったのだろう」と話しています。

実際、A薬局の無資格調剤は問題も多かったと言われています。A薬局の薬剤師は一人。

管理薬剤師として患者の服薬指導に追われていました。

調剤は数人の無資格従業員が、計数調剤、錠剤の分割、散剤、水剤の計量調剤、さらに自ら進んで医師への疑義照会、薬剤師がやるべき処方箋への署名、推し印までやっていたようです。

「8か月間という長期間、無資格者にほとんどの調剤をまかせていたわけだから、刑事責任を問われるのは当然」と話すのは、薬局等の立ち入り検査を何度も経験した保健所関係者。

無資格調剤の立証は困難

無資格調剤が明るみに出る場合、大きく分けて二通りあります。

患者など薬局の外部の人間からの通報と、内部告発がありますが、今回の事件は内部告発によるものでした。

A薬局の無資格調剤が立証できたのは、内部告発であったからと言われています。逆に患者からの通報であれば、立証は案外、難しかったかもしれません。

患者が。無資格者が調剤していたことに気付いたとしても、立入検査の時、薬剤師がやってっていたと答えれば、それ以上、行政は奥に入る術がありません。

調剤の範囲が明確でない

薬剤師法第19条の条文は、見方によってはある部分は無資格者に任せても問題はないと解釈できる部分もあると法の専門家は言います。

今回取り上げた薬局の場合も、立件対象になったのは、全てではなく、錠剤の分割、散剤や液剤の計量調剤が含まれた調剤行為18件だけ。

その他の機械的な作業については立件が見送られたようです。

一番、立件しやすいのが、薬剤師不在の時、無資格者が調剤をし、それを見た患者などによる第3者による通報です。

しかし、それでは通報を頼りに取り締まられるみたいで「見つかって運が悪かった」となり。不公平感が拭えません。

厚生労働省の見解には薬剤師も矛盾を感じる

診療所で医師が一人で、薬剤師がいず、第三者に調剤をさせる場合は?

調剤行為は診療所の場合、本質行為と非本質行為とに分類し、非本質行為は医師の指導の下に第三者が行っていいと許可している厚生労働省です。

しかし、薬局については、処方せんを受け付け、調剤をし、患者に渡すまでが調剤行為で薬剤師が全てを行わなくてはいけないという見解に薬剤師自身、納得がいかないようです。