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タバコを喫っている人達、ほとんどの人がタバコを止めなくてはと考えています。

簡単に止められるものだったら、とっくに止めてるよ、と言いたそうです。

薬局に来られる患者さんが喫煙者で、心臓血管疾患などがあれば、服薬指導ついでに、禁煙指導もしたくなります。

しかし、なかなかうまくいきません。禁煙してくれそうにありません。

どのようにすれば、喫煙者を禁煙に誘導させることができるのでしょうか?非常に難しい問題ですが、考えてみたいと思います。

禁煙のメリットを提示してみる

禁煙期間の経過とメリットを紹介します。

  • 禁煙20分で……心拍数が正常になります。
  • 禁煙12時間で……血液の中の一酸化炭素のレベルが正常位置に戻ります。
  • 禁煙2週から3か月……心臓発作の危険性が低下し、肺機能が改善し始めます。
  • 禁煙1年で……心臓血管疾患の危険性が喫煙者の半分になります。
  • 禁煙5年で……脳卒中の危険性は非喫煙者と同等になり、口腔癌、咽頭癌、食道癌の危険性は、喫煙者の半分になります。
  • 禁煙10年で……肺癌、膀胱癌の危険性は喫煙者の半分になり、脳腫瘍、腎臓癌、膵臓癌の危険性は減少していきます。
  • 禁煙15年で……心臓血管疾患の危険性が、非喫煙者の危険性と同程度になります。

このような内容のポスターを薬局内の壁に貼り付けておくといかがでしょうか?

タバコを吸えば、こんな危険な病気が待ち構えているというようなポスターよりは、最後まで読んでくれそうな気がしませんか?

喫煙者が禁煙する気持ちが無いことをまず、受容します

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禁煙してほしいと思うと、つい、タバコによる害を喫煙者に対して並べ立ててしまいますよね。だけど、喫煙者だって、そんなこと知り尽くしています。

禁煙する気が無い人に向かって、「禁煙、禁煙」と耳にタコができるぐらい言っても、益々嫌がられるばかりです。

禁煙する気持ちがない喫煙者と会話が途切れないようにするためには「わかりました、」今はタバコを止める沖見とは無いのですね」と、喫煙者の気持ちに寄り添います。そうすることで、喫煙者は自分を受け入れようとする薬剤師に心を開き始めます。

薬剤師の話を聞こうとする気持ちの余裕も出てくるでしょう。

「これから先、もしかしたら、タバコを止めようと少しでも考える時があるかもしれないので、ほんの1、2分お話させて頂けませんか?」

と相手を尊重しながら、会話をしていくと、結構、本題に入り易くなります。

喫煙のデメリットの話はしないで、禁煙の成功率などの話から入っていくのがポイントです。

例えば、禁煙補助剤を使用しながらの禁煙では、どのぐらいの成功率があるのかということから話始めます。

「禁煙補助剤を使って、禁煙できた人もいるんですね」などと言う返事がきたら、禁煙に対して関心を持ち始めていると考えます。

薬局でのケース別サポート例

禁煙する気が無い場合

喫煙による危険性は、話さないようにします。

喫煙者もタバコによる害はよくわかっています。

「肺癌だけでなく、COPDも怖い病気で」とか、「タバコを止められないのはどうしてなんでしょうかねえ」などと、話しても嫌がられるだけです。

受動喫煙の話もご法度です。

それを知ってるから、寒いのに(暑いのに)ペランダに出て、一人淋しく吸っているわけです。

タバコを吸ったことが無い家族が「タバコほど体に悪いものはない」と言っても、何の説得力もありません。

タバコの値段の話もできるだけ避けましょう。

タバコの値段が上がりましたが、それでも吸っているわけです。

タバコは浪費などと言っても喫煙者を不機嫌にさせるだけで、何の効果もありません。

禁煙のメリットは話しましょう

口臭が消える、咳が出なくなる、部屋が臭わなくなるなど、禁煙するとすぐに効果がでるようなメリットを話してみます。

その後に、病気の話を少しずつしていきましょう。

禁煙補助剤による禁煙の成功率を話してみます

これは、喫煙者も比較的関心を持っている話題です。

実際の禁煙補助剤で禁煙に成功した率は、三か月後で約50%というデータが出ています。

何度も禁煙に失敗した場合

何回、禁煙に失敗しても構わないではないですかと、声をかけてみます。

禁煙しようとしても、すぐに喫煙に戻ってしまうという繰り返しをする人も少なくありません。

しかし、このような人は、ダメな人たちではなくて何度も挑戦をする意欲的な人達という風に考えるのです。

そのように本人に言いながら、サポートをしていくことが重要です。

禁煙の失敗を繰り返す人達は、再び煙草を吸ってしまうきっかけが(飲みに行った時、タバコを吸う友達と話している時など)があるので、再喫煙するきっかけとなった原因を探り、上から目線ではなくて当事者と共に解決案を考えていく姿勢を見せましょう。

ニコチン置換療法

喫煙者がタバコを吸おうと思う時は、煙に含まれるニコチンによる身体的、心理的依存が現れてくるからです。

タバコを吸うと、ニコチンが体内に吸収されます。そして、充足感を感じます。この後、ニコチンが体内から消失し、イライラするといったニコチンの禁断症状が出てきます。

そうすると、タバコを再び……その繰り返しで禁煙が非常に難しくなってきます。

その症状を軽くするために、タバコ以外の方法でニコチンを摂りながら、タバコから離れていく方法をニコチン置換法と言います。

OTC医薬品の禁煙補助剤はニコチンガムとニコチンパッチがあります。

相談者の話を聞きながら、どちらがいいか、判断していきます。

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妊娠中、妊娠の可能性がある女性や3か月以内に狭心症や心筋梗塞の発作を起こした人、不整脈がある人、うつ病の人と診断された人は、使用できません。

また、気管支拡張薬のテオフィリンやカフェインなどを、喫煙していた頃と同じ量ほど飲むと、テオフィリンなどの作用が強くなる恐れがあるので、禁煙する場合、服用中の薬があるかどうか確認し、あれば医師、薬剤師に相談しましょうなどという、話しをしながら……。

癌が二人に一人という時代になってもタバコを吸う人はいます。

この辺りですでに禁煙の難しさがわかりますよね。タバコを値上げても吸い続けます。

このような人を禁煙に導くのは、至難の業です。それでも禁煙を勧めた方が良いのです。薬の専門家としても腕の見せ所でもあります。