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かぜ患者さんの服薬指導は、簡単そうで奥が深いようです。患者さんの質問にどのように指導していけばいいか、具体例で考えてみましょう。

もしかして、私、インフルエンザかしら?

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冬の時期、OTCの風邪薬を買い求める時、このような質問をされる患者さんによく出会います。どのようなアドバイスが適しているでしょうか?

急で重い症状に注意

インフルエンザの特徴は39℃~40℃、呼吸器症状に比べて倦怠感や筋肉痛などの全身症状が強いことです。

一番、判断しやすいことは症状が突然出現することです。患者さん自身も「風邪とは違って突然、具合が悪くなった」と言います。

薬剤師は地域別のインフルエンザ状況を常にチェックし、流行時期に上記のような症状が現れていれば、ほぼインフルエンザとして間違いありません。また、同居者にインフルエンザ患者がるかどうかのチェックも重要です。

現在は抗インフルエンザウイルス剤があるので、OTC薬よりも一刻も早く病院への受診を勧めましょう。発症から服用開始時間が短ければ短いほど、有効性が高いです。

解熱剤はいつ飲ませればいい? お風呂は入れいいの?

この頃は安易な解熱剤の服用は、治療を遅らせる原因になる可能性が高いという意識が広がっていて、小児科を中心に解熱剤は「頓服」として処方するのが一般的のようです。

その場合、発熱時に使うポインがはっきりしない、一回で下がらなかった、など解熱剤の使用が曖昧なことがあります。解熱剤の使用法に関する指導は、薬剤師の腕の見せどころでもあります。

解熱剤の必要性を患者さんに判断させる

発熱の生理的意義、連続使用時に何時間空けるかをしっかりと説明したうえで「一回ずつ、本当に解熱剤を飲ませる必要があるかどうか」を考えながら飲むべきと、指導してみましょう。

解熱剤が必要なのは、熱を下げることで熟睡できる、食事ができるようになる、頭痛が治ると言った患者さんに明らかなメリットがあるときだけです。

体温計の目盛ばかりに頼らない

数値よりも全身状態、あるいは今までの症状を考えて、解熱剤使用の是非を患者さんや家族がその時に判断するというのが、頓服としての基本的な飲み方です。

また、解熱剤は体温が上昇している時に飲んでもあまり効果がありません。

熱が上がり切って30分ほどたっても下がる気配が見えない時に飲むのが効果的と言われています。

「発熱時の入浴は高熱でなければ、OK」が一般的

長時間、入浴しない、湯冷めに気を付ける、入浴後はすぐに布団の中に入る等を条件に高熱以外の入浴を許可する医師が多いようです。

長時間の入浴を避けるのは、入浴による体温上昇を防ぐためでもあります。

かぜなのに、なんで抗生物質を飲むんですか?

かぜの原因は80~90%がウイルスです。だから抗生物質は効果が無効となるのは当然です。

それでも、抗生物質がよく処方されるのは、細菌による二次感染を治療・予防するためだからです。かぜウイルスに感染すると、上気道の感染防御機能が低下して、鼻・口・咽頭粘膜に細菌が付着しやすくなり、感染する機会が増えてしまうのです。

最近の傾向への疑問

従来、二次感染を予防するために風邪の治療を始める段階から、予防的に抗生物質が投与されていました。

しかし、最近はこの有効性が疑問視されるようになりました。また、この予防的投与が「薬剤耐性菌」を生む元凶になっていると言われるようになり、控えられるようになってきています。

ただ、二次感染を起こしてしまった場合は、抗生物質は必須です。

抗生物質が必要な場合

かぜが回復期に入るはずなのに、病状が蔓延している、あるいは黄色っぽい膿性の喀痰がある場合は二次感染の可能性を考えます。

その他、二次感染が起き易く、一旦起きると、重症化しやすい糖尿病、呼吸器、心臓疾患等には単なる風邪の症状と考えられる時から、抗生物質は処方されます。

一番、よく効く風邪薬をください

万人に良く効く風邪薬など存在しません。このようなことを言ってくる患者さんにはまず、症状をよく聞くことが大事です。

風邪薬を選ぶコツは「鼻水」「のどの痛み」「咳」この三つの症状の内、どの症状が強いかを聞き出すことです。その症状改善に重点を置いたOTCの風邪薬を出します。

症状の幅が広い場合

総合感冒剤タイプのOTC薬を出します。

下痢を併発している場合でも、止瀉薬は勧めず、総合感冒剤と乳酸菌整腸剤の併用を勧めます。