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高い費用を出して、薬局スタッフを外部の研修を受けさせても、そんなに効果が上がっているとは思えないと感じる薬局経営者達。

薬局スタッフの教育を考慮する時、最も注意しなくてはいけないことは、教育を行おうとする経営者側も、研修を行う目的をどこに持っていくかを明確にしておく必要があります。

この部分をはっきりとさせておかなければ、いくら時間とお金にエネルギーつぎこんでも、一向に効果が上がらないということになります。

一番大切なのは患者さんとのコミュニケーション

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薬局経営者からみれば、薬局スタッフに一番学んでほしいことは、患者さんとのコミュニケーションスキルです。

他の薬局スタッフも同じ思いでしっかり学んでもらわなければいけません。そうでなければ薬局の評判が下がるという怖い「落とし穴」にはまってしまいます。

教育研修で学ぶ落とし穴に陥らないための注意点

  • 研修の成果として指導者が出した項目(薬局の売り上げ増、経費の削減、患者さんへの利益、処方医との信頼関係など)を薬局スタッフが満たしているかどうかを検討します。特に薬局スタッフの希望による外部研修を行った場合、研修費用を出したなりの効果が出ているかどうかを判断するため、文書で報告、提案を求めます。
  • 研修を受けたことを薬局の仕事にどのように反映していくのか、受講した薬局スタッフが学んだという意識があるかどうかを確認します。どんなに研修内容が充実していても、「良い勉強になった」と言うだけで終るのでは、研修を行った意味がありません。
  • 上記のことをレポートにして提出させ、「何を学んできたか」ではなく、「学んできたことをどのように活かすと、どんな効果が出るか」ということをきちんと書けているかを確認します。
  • 個人のスキルアップのための勉強は、基本的に自分の責任、費用で行うことを確認します。
  • 個人の勉強は、到達してほしいレベルを具体的に掲示します。小規模薬局では個別に行い、大手の薬局では習得度別のレベル分けをして掲示します。

要するに、何となく勉強した気になるだけの者は、教育研修には値しないということです。

薬剤師の場合、個人のレベルアップは、基本的に本人の責任で行うべきであることを薬局内に徹底させておく必要があります。

薬剤師手当は薬剤師免許証という紙切れに支払われるものではない

薬剤師の給与の一部として、多くの薬局では薬剤師手当が支払われていると思いますが、これは有資格者として、仕事を行うのに必要な本人の努力に対して支払われると考えるべきです。

薬局内で教育研修を実施しようとすると、「残業手当は付くのですか」とか「勉強に必要な本は薬局で買ってもらえますよね」というような者が出てくるものですが、このような甘えは許してはならないとアドバイザーは話しています。

教育研修の内容

①主に薬剤師自身のスキルアップをするため教育研修

②薬局全体の業務のスキルアップをするための教育研修

③薬局内の意識や知識レベルを薬局スタッフが、共有し合って薬局内のレベルを上げ、統一化するための教育研修

①と②の研修を行っている薬局は多いと思われますが、③を意識して教育研修を行っている薬局はあまり多くはないと思います。しかし、③の実行は、薬局のレベルを上げるtためには絶対不可欠なことです。

教育に力を入れているにも拘らず、その効果が余り得られていないと感じる薬局経営者は、最初に述べた落とし穴に落ちているか、意識、知識の共有化ができていないと思われます。

①薬剤師の研修の具体例を紹介

①薬剤師自身のスキルアップの研修内容

  • 薬の基礎知識(生理学、薬理学等)
  • 医薬分業における基礎知識
  • 医療保険における基礎知識
  • EMB(Evidence-Based Medicine)
  • 薬物動態学

薬そのものの知識は、薬剤師として仕事をしていく以上、個人の責任において身につけていかなければいけないものです。

新卒者や他職種からの転職者に対しては、本人の薬剤師としてのレベルを把握し、それに合わせて研修を行うべきで、研修内容も本人のレベルに合わせて行う必要があります。

医薬分業の知識については、院外処方箋の発行の仕組みといった基礎的なことから、何故、医薬分業が推進されるのか、医薬分業の意義を理解できるように研修を行います。患者さんに医薬分業を納得してもらえるような説明ができる薬剤師を目指さなければいけません。

医療保険については、日本の医療制度を理解し、患者さんがどのような保険に加入していても、対応できるようにしなければいけません。

保険調剤を行う保険薬剤師は、健康保険法に沿って業務を施行することが当然であって、保険に関係する知識を疎かにしてはいけません。

EMBや薬物動態学については、取り組んでいない薬局もあると思われますが、頼れる薬剤師になるためには絶対不可な分野です、単なる医師への疑義照会ではなく、医師に対して提言できる薬剤師が、これからの必要とされる薬剤師です。

「添付文書に書いてありますから」では、医師から相手にされないのは当然でしょう。医師は、自分の経験や文書以外の様々な知識を元に処方を考えています。

薬剤師自身が、文献を批判できるぐらいの知識や能力を持っていなくては、薬剤の効果や副作用がどの程度なのか理解できません。そのためにEMBや薬物動態学が重要なのです。

まとめ

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このようなやり方でやっていけば、たとえ研修費用がかかったとしても、その見返りは十分あると考えられます。