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ずいぶん昔は、薬局製剤を販売する薬局が多かったと言います。

しかし、色んなOTC医薬品が世に出始めると、薬局製剤も影を潜めるように。

ところ が、近年、下火だった薬局製剤に関心を示す若い薬剤師が少しずつ、出てきました。現在、薬剤師として仕事をしている人たちは、薬局製剤をどのように考えて いるのでしょうか?

薬局製剤とは、簡単に言いますと、医薬品製造販売業の許可、そして製造承認を受けた医薬品をその薬局にある設備や器具で製造し、薬局で直接、販売する薬のことです。

薬局製剤を製造し、販売するためには、製造業と製造販売業、両方の許可を取得しなくてはいけません。たとえ開設者が同じ人間であっても、薬局ごとに許可を取る必要があります。

薬局製剤に興味を持つ薬剤師は自分の手で作り、自由に値段をつけることができるため、薬局の独自性を出したり、売上げを伸ばす必殺技?という考えをもっている人が多いようです、

また、薬局製剤に慎重、反対派の意見も紹介してみたいと思います。

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賛成派

A:実家の薬局では祖父の時代から薬局製剤を作っていて、お角様に喜ばれています。繁華街の中心に立地していて、飲み屋が多く、二日酔い、これからお酒を飲むためにと言って、胃薬関係の薬局製剤を購入されます。OTC医薬品よりも薬局製剤の方がよく効くとの評判です。

B:東京で働いていた小さな薬局ですが、経営者である薬剤師は風邪薬、胃薬、皮膚病薬、そのほかたくさんの種類の薬局製剤を作っていました。OTC医薬品のようにTVCMなどで宣伝されているわけではありませんが、地道に売っているうちにだんだんリピーターが付くようになりました。また、常に品質が一定したものを薬局で作るということで、実力のある薬剤師が在籍していると。こんな感じであれば、薬局、薬剤師の信頼度アップにつながります。原価はとても安いので、少々の失敗はカバーできます。

C:自分の勤務する薬局ではなく、他の薬局で薬局製剤を作っていました。内情を知っているだけに、いい値段をつけているなと、思いました。同じ成分でもOTC医薬品よりは、高かったです。

D:自分の薬局で、薬局製剤を販売しています。自分たちの目線で薬局製剤の種類を決め、商品名を考えます。パッケージのデザイン、売り出しの戦略方法も考えるのですが、とても楽しい作業で、やりがいがあります。購入されたお客さんから「よく効いた」というお話を聞くと、大きな喜びを感じます。

今は処方箋がなくても、この薬局製剤だけを買いに来られるお客さんも結構、います。

E:自分たちの住む県薬剤師会では、薬局製剤委員会が設置されており、講師の先生の指導の下で、色んな薬局製剤を作る実習を受けます。研修を受けた後、実際に販売する薬局もいくつかあります。

自分たちの薬局は、まだそこまではできない状況ではありますが、薬局製剤の作成、販売には興味持っています。

賛成派ではあるけど…

F:以前、自分たちの薬局でも薬局製剤業務の許可をとって、販売していましたが、OTC医薬品もよく探すと、非常に個性的で効果がありそうなものも多くあります。薬局製剤関連の仕事は、薬剤師の職能を生かす部分では最高だとは思いますが、何が何でも薬局製剤でなければいけないものというのは、ほとんどないように思います。

また、薬剤師が不在のドラッグストアなどで、薬を購入したけど、効果がなかったり、ピントはずれな薬を買わされてしまったというケースが多く、そのようなお客様が自分たちの薬局に来られた時、しっかりと相談にのるだけでも、薬局の独自性を出すことはできると思います。

G:今は人員不足ということもあって、行っていません。処方箋を受けているので、処方箋調剤をきっちりとやることを優先するべきと考えています。薬局製剤の販売をすると、一人のお客さんに結構、時間を取られてしまうことが予想されます。今後、これらの制度が変わるかもしれないと思うと、躊躇してしまいます。

H:前に勤務していた会社で漢方薬と水虫の薬を作っていました。その目的は、OTC医薬品よりも薬局製剤の方が、利益が出るからということでした。薬局の個性を面前に出すことができ、他の薬局との差別化にも有効だとは思いますが、商品を売って、後は放置したままというわけにはいきません。飲んで効果があったかどうかなどのフォローは、大変重要です。

そこまでの責任を考えながらできる余裕が持てるようになったら、やってみたいと思います。

I:自分は薬局製剤販売の経験はありません。ドラッグストアで薬局製剤が販売されていたのを見て思ったのですが、薬局製剤が他のOTC医薬品の中に埋もれているため、薬局製剤のオリジナリティーが半減していました。薬局製剤とは、患者さんの症状をしっかり聞いて、きちんと説明してから売るものと考えているので、特別な存在として扱うべきだと思っています。

慎重派

J:薬局製剤を売る時、問診だけで売るということになります。それは大丈夫なのでしょうか?薬剤師は医師のように患者さんの体に触れることもできなければ、検査することもできません。患者さんの情報がない状態で、OTC医薬品のように薬局製剤をたやすく勧めるのは少し、危険であるような気がします。薬局製剤の品質もOTC医薬品のように常に一定で安定性があるとは、い切れません。

K:薬局製剤は儲けのいい商品であるとは、理解しています。しかし、問題は管理の面。原材料から大量に商品を作るのが、一番儲けが良く、効率的でもあります。しかし、チェーン店のように多店舗で販売していかなければ、完全に売りさばくことがむつかしく、たくさん売れ残ってしまうこともあります。また、販促活動を通して、薬局製剤をアピールしていかなければ、簡単に売れるとは思われません。売れるようになるまでには、かなりの時間がかかるのではないのでしょうか?

L:薬局製剤は医師の処方とは全く関係なく、薬剤師のスキルを活かせる薬だとは思っています。しかし、現実的な業務として考えた場合、製造業務はまだいいにしても、品質管理面でどこまで保障できるのでしょうか?法的なものにからんではこないでしょうか?法的な条件を全てクリアできるような設備もスキルも中途半端です。このような状況を考えると、安易に取り組むのは危険かと考え、いまだに薬局製剤を現実視できていません。