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現在、覚せい剤、大麻、コカインなどを違法に所持するというニュースが後を絶ちません。

薬物乱用を防ぐためにどのような法規制がされているのでしょうか?

薬物乱用の実態

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歴 史的には、第二次世界大戦直後の混乱、退廃などから覚せい剤、ヘロインの乱用が中心であった時期を第一次乱用期と言われています。

そして、暴力団関係者か ら一般人へと広がった覚せい剤の乱用と未成年のシンナー乱用が問題になった時期を第二次乱用期。現在は第三次乱用期と言われています。

最近の薬物犯検挙のほとんどが覚せい剤取締法か大麻取締法の違反者です。両者への対策が未だに大きな課題であることは、周知の通りです。

その一方、部屋に死亡した女性を遺棄したことで罪に問われた男性芸能人が、使用していたMDMA(メチレンジオキシメタンフェスタミン)のように、最近よく見られるようになった合成麻薬への対応の遅れも問題になっています。

合成麻薬が合法、脱法と呼ばれる背景

医薬品は薬事法によって規制されています。その他に薬物を規制する法律として下記があります。

  • 麻薬および向精神薬取締法
  • 覚せい剤取締法
  • 大麻取締法
  • あへん法
  • 毒物および劇物取締法

色々ある中で、麻薬に指定された薬物の一覧を見ると、化学物質の1つ1つが具体的に記載されています。

このため規制薬物の化学構造を少しでも変えると、麻薬の規制から外れてしまうため、合法、脱法などと表現されてしまうのです。

最 近、よく合法(脱法)ハーブといった言葉をよく記事で見かけます。ハーブと簡単に言っても、実際はハーブなどの乾燥させた植物片に、大麻等の成分に似せた 合成化学物質をしみこませたものです。

これらによって、体に異変が起こり、救急搬送されたり、死亡したりする事例がマスコミを賑わせています。

前はこのようなドラッグを摘発するためには、薬事法の医薬品であることを立証し、無承認無許可医薬品として取り締まるか、あるいは、麻薬および向精神薬取締法において麻薬として指定するかのいずれかの手段が必要でした。

しかし、薬事法のほうは、医薬品に該当しないように偽装が施されることから、また、麻薬取締法の麻薬としての指定に必要な依存性の証明に時間がかかることから迅速な対応が困難でした。

実際、合法ハーブもお香などのように人体に入れないということを建前にして売られており、また、違法薬物と似た効果はあるけれど、規制外の薬物であることから取締が難しくなっています。

2007年に薬事法が改正され、「指定薬物」という新たな法規制が施行されました。

指定薬物……中枢神経系の興奮、あるいは抑制または幻覚の作用を有することが多く、人体に使用された場合、保健衛生上の気概が発生する恐れがあるもの。

ところで、上記には依存性という言葉がありません。

すなわち、麻薬としての規制の前に、指定薬物というステップを一つ増やすことで違法薬物への対応を迅速、的確に行うためのものです。

その後に指定薬物は依存性が確認されれば、随時、麻薬として指定されていきます。

現在、厚生労働省では違法薬物と成分構造の似た薬物を一括して、規制の対象とする「包括指定」の導入も考えているようです。

薬事衛生の観点から、国民の健康な生活を確保することが目的で業務を行う薬剤師は、このような問題に対しても時代の流れに沿い、勉強していき、それを業務に反映していかなくてはいけません。