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軟膏、クリームの塗り方、どれぐらいの量で塗ればいいのか、ステロイドが入っている軟膏は怖くて使えない……色んなことを考えながら医師からもらった軟膏、クリームを塗っている人も少なくありません。

薬剤師が薬局で患者さんに指導していることを紹介します。

塗り方は薄く、こすらずに

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塗り方には①単純塗布法 ②重層療法 ③密封療法がありますが、最も一般的なのが指の腹で塗る単純塗布法です、簡単な方法ではありますが、「こすらずに薄く塗る」が一番大事です。効かせようと強くこすりつけて塗りがちですが、ほとんどの外用剤は、こすらずに薄く塗ることで十分効果が出るように設計されています。

炎症の在る部位に強くこすって塗ると、痒みを誘発し、刺激が強すぎて逆に悪化してしまうことがあります。

例外もあります。筋肉痛に処方される非ステロイド性の消炎鎮痛剤の場合は、擦り込むように塗った方が効果的です。

②、③の塗り方は、皮膚内の成分の吸収を高めて効果を出そうとするもので、重症な患部に施すやり方です。医師の的確な診断の上で行われる方法です。

また、ステロイド含有の軟膏と他の軟膏を同じ部位に塗る場合、どちらを先に塗るのが適切かと言うことは今でも、医師の間で意見が分かれています。ステロイド含有の軟膏が他の軟膏に混じっている場合、医師や薬剤師が説明いたしますので、それに従ってください。

ステロイド含有の軟膏の副作用抑えて塗る方法

ステロイド含有の軟膏がよく出される疾患と言えば、アトピー性皮膚炎。部位によって炎

症の度合いが違うので、度合いに応じて強度の異なるステロイド含有の軟膏が処方されま

す。勿論、吸収の度合いが強い皮膚には弱いステロイド含有軟膏です。

強いステロイドと弱いステロイド含有の軟膏が処方された時、弱いステロイド含有の軟膏

から塗りましょう。

 

その理由は……

軟膏を塗る時の前後は手を洗うのが基本ですが、複数のステロイド含有の軟膏が処方され

た場合、軟膏を変える度に一々、手を洗うのも面倒です。そういうとき、弱いステロイド

含有軟膏から塗っていけば、吸収の度合いが強い顔などに強いステロイドが触れるという

ことはありません。

ステロイド含有軟膏が患部以外のところに付着すると、思わぬ副作用をおこしてしまうこ

とがあります。例えば、母親が自分の肌にステロイド含有軟膏をつけ、そのまま手を洗わ

ずに子供の顔を触り、湿疹ができてしまったという報告があります。また、ステロイド含

有軟膏が化膿したところに付着すると、細菌が増殖してしまうこともあります。

ステロイド含有軟膏を塗った後、化粧をする場合……

化粧は皮膚に刺激を与え、薬物と化学反応を起こす可能性も考えられるため、基本的には

好ましいことではありません。しかし、女性にとって化粧はエチケット、身だしなみに相

当するものでもあります。顔の患部には化粧を重ねることができないし、ファンデーショ

ンなど顔全体を塗るのも好ましくありませんが、口紅、アイラインといったポイント的な

化粧程度なら大丈夫でしょう。

どれぐらい塗ればいいのか、計算できる?

大体どのぐらいの量でどのぐらいの範囲が塗れるのか……なかなかわかりづらいものです。

「チューブから5mm出すと、直径5cmぐらいの円の範囲に塗ることができる」とよく皮

膚科医は説明します。

全身を塗布するのに、必要な量から各部位を塗布するのに必要な量を計算することができ

ます。この計算は大雑把なのですが、つけ過ぎ防止には役立つようです。データ報告によ

って量に幅がありますが、国内のデータがとても参考になります。このデータは主にアト

ピー性皮膚炎の患者さんが対象で、治療効果を得るために必要なステロイド含有軟膏の全

身量を調べたものです。その結果, 1日2回の塗布で1日約25g, つまり約12.5gが必要な

全身量ということがわかりました。

9の法則で計算

先程、求めた全身量から各部位の塗布量を計算するためには、熱傷面積算出法である「9の法則」を使用する方法があります。

片腕が9%, 片足が18%など、各部位の表面積が9の倍数で表すことができることを利用したものです。(成人の場合)

頭、片腕;各9% 前側、背面、片足;各18% 陰部;1%

上記の割合から全身量を12.5gとして各部位の塗る量を計算することができます。

手のひらの表面積から

手のひらの表面積を体全体の1%として計算できます。

これも熱傷の範囲を計算する時に使われる方法で例えば、患部が手のひら3枚分であれば、体全体の表面積の3%に相当し、全身量12,5gの3%、約0.4(0.375)gであれば、つけ過ぎにはならないということになります。

海外での使用量の決め方

人差し指の先から第一関節までにチューブから出した量を1FTU(finger-tip-unit)として軟膏の量の目安としているところがあります。

男性の場合、1FTUは約0.5gで312cm²に塗ることができます。ただ日本人の場合、外国人に比べ、手が小さく、1FTUが約3gで指の長さが短く、体格も違うのでこの結果をそのまま日本人に当てはめるのは難しいとされています。