aki-1

適応外処方とは「添付文書の(効能・効果)に記載されていない疾患に対してその薬剤を処方すること」を指します。

また、効能効果は妥当であっても、添付文書の(用法。用量)に準じていない場合も適応外処方に相当します。

添付文書に記載されている(効能・効果)や(用法・用量)は、どちらも薬事法の承認事項であるのでメーカー側が勝手に追加や変更をすることはできません。

医師が適応外処方することは保険診察上では認められていない

tekiougai-syohou-1

保険診療で使用できる医薬品は、基本的には薬価基準に収載された医薬品に限定されています。

使用方法は添付文書の記載に従わなくてはいけません。

保険診療ではない自由診療の場合は医師の裁量で薬は使えるが、安全性等が確認されていない場合で適応外処方すると、違法性が問われる可能性もあります。

適応外処方の処方箋を受け取った場合、薬局は保険調剤してもOK?

多くの医師が、いわゆる保険診療の中の病名をレセプトに記入し、保険診療の上で適応外処方を行っているのが現状です。

その場合、薬局に持ってこられた処方箋には病名が書いていないため、病名が分かりません。

そのため、適応外かどうかはわからずにそのまま調剤することも。

そのような場合、厚生労働省医療課は「保険調剤を行うこと自体は問題ないが、その適応外処方が保険で認められるかどうかは社会保険損料報酬支払基金や保険者側の判断にまかせる」と。もし保険審査を通過しなかった場合、調剤報酬が減額されることになります。

なお、減額査定となった場合、返戻金を処方医師、薬局のどちらが支払うのか……「個々のケースでの話し合いで解決」というのが厚生労働省医療課の考えのようです。

適応外処方で患者さんに健康被害があった場合、医師、薬剤師はどのような法的責任が問われる?

適応外処方でなくても、患者さんに健康被害があった場合、医療過誤扱いになる可能性はありますが、事故があった時に医療水準をクリアしていれば、たとえ患者さんの予後が悪くても医師、薬剤師らには過失はないと言うことになります。

では、適応外処方で患者さんに健康被害があった場合、医薬品副作用被害救済制度の対象にな

るのでしょうか?

実際は、この制度の救済の対象は原因医薬品の使用目的や使用方法が適正であったにもかかわらずということが条件なので、適応外処方の場合は当てはまりません。

適応外処方と気付いた時、薬剤師はどんな対応を?

適応外処方の処方箋と疑った場合、まずは医師に疑義照会をします。

そして、一番問題なのが、医師の説明に納得がいかなかった場合、薬局の処方箋応需義務を撤回して、薬剤師はその処方箋を調剤拒否ができるのかどうかということにあります。

医事法、薬事法に詳しい弁護士は「どうしても納得がいかなければ、薬剤師が考える科学的根拠を掲示しながら、医師に処方変更を促すしかない」と。かなりの労力が必要ですが、それこそが薬の専

門家としての薬剤師の使命だと考えます。

適応外に踏み切る医師の言い分とは?

医師にとって適応外処方は前述したように様々なリスクがからんできます。

そのリスクを冒してまで、適応外処方に踏み切る医師が少なくありません。医師を対象に行ったアンケート調査では、2/3の医師が適応外処方を経験していました。

治療上の必要性を重視

半数の医師が必要な時のみ行う場合は問題ないと答えています。

約3割の医師は明確な根拠があれば、医師の裁量で行ってもいいのではと答えています。リスクを背負っても患者さんのために適応外処方を行わざるをえないという医師が多いということです。

逆に適応外処方は行うべきではないという医師の少数ではありますが、約十数%いました。「責任がとれれば処方したいこともあるが……」「産婦人科の場合、患者が副作用に敏感になり、裁判沙汰になる可能性があるので適応を守る」と保守的な考えを見せています。

薬剤師は適応外処方の疑義照会に対して医師の心情を理解する

適応外処方で医師に疑義照会を行う場合、医師への質問の仕方に十分な配慮をしなくてはいけません。

意図的に保険医療で適応外処方を行った医師の多くはルール違反であることを知りながらも、後ろめたい気持ちを織り交ぜながら処方箋を書いています。

そのような医師の心情を薬剤師が理解する必要があります。適応外処方を咎めるような言い方には絶対に注意しなくてはいけないのです。

適応外処方について疑義照会を行う目的

  • 医師の単なる記載ミスかどうかの確認
  • 適切な服薬指導を行うために医師の処方意図を確認

上記の二点です。

正しい調剤、投薬を行うために確認しているのだということが医師に伝わるような疑義照会の仕方を薬剤師は心がける必要があります。