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近年、慢性腎臓病(CKD)において、早期に腎障害を拾い上げる取組みが広がっています。

最近は、院外処方せんに検査数値を書き込む病院が増えてきました。薬剤師も患者さんの腎機能を把握してCKDや腎毒性、中毒性副作用を防ぐだけのスキルが求められるようになりました。

薬局でもクレアチニン、GFRの確認で患者さんの腎障害の程度を知ろう

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高齢者や糖尿病患者さんは、病気の裏に腎障害が隠れていることが多いです。

そのため、腎機能に要注意の薬剤が処方されたら、腎機能検査値を意識し、副作用の発現を抑えるために医師の処方支援を提供しましょう。

腎機能が低下している時に腎排泄型の薬剤を投与すると。腎からの排泄が遅れ、薬物血中濃度が上昇し、中毒性副作用の頻度が増大します。

従って腎機能が低下した患者さんにこのような薬剤を使用する時は、薬剤の減量や投与間隔の延長が必要になってきます。

一部の抗菌剤やNSAIDs(非ステロイド抗炎症剤)

これらの薬剤は腎血流や尿細管機能に影響を与え、腎機能を悪化させる危険性があるため、腎毒性が低い薬剤に変更する必要があります。

腎機能は糸球体濾過量(GFR)で把握

処方せんに検査数値が書かれていなかった場合でも、患者さんにCKDがあり、腎排泄型の薬剤が処方されていたら、処方医に疑義照会し、場合によっては薬剤の変更も必要になると思われます。

代表的な腎排泄型薬剤は、頭に入れておこう

腎障害の患者さんで減量を必要とする薬剤の多くは、腎排泄型薬剤です。処方される頻度の高い主な腎排泄型の経口剤としてはレボフラキサシン(商品名クラビットほか)などの抗菌剤、ファモチジン(商品名ガスターほか)などのH₂受容体拮抗剤、バラシクロルビルなどの抗ウイルス剤があります。

外来で処方される頻度が高い腎排泄型の経口剤は限られているので、しっかりと覚えておいたほうがいいでしょう。

腎機能が低下しているにも拘らず、腎排泄型の薬剤が常用量で処方されていたら、疑義照会をする必要があります。

この場合は腎臓専門医以外の医師が多く、疑義照会で大体、処方変更となります。

薬剤師が具体的な投与量まで提案しなくてはいけなくなることも多いので、疑義照会する前にしっかりと下準備して知識を補充しておくことも重要になってきます。

風邪による発熱で処方されたNSAIDsが原因で腎不全に!

NSAIDsは抗消炎作用、解熱鎮痛効果もあり、健常者であれば、何かと便利な薬で効果も期待できる薬剤です。

しかし、腎機能が低下した患者さんには急性腎不全をひきおこすこともある要注意な薬剤でもあります。

NSAIDsは糸球体濾過量(GFR)を低下させる

この薬剤は血管拡張作用のあるプロスタグランジン(PG)の合成を阻害して、輸入細動脈を収縮させます。

そのため腎血流が低下し、GFRも低下することで急性腎不全をひきおこすと考えられています。

腎機能が低下した患者さんはこのような現象が顕著に出現し、PG合成が促進されており、腎血流量が著しく低下してきます。

重症な虚血状態となれば、尿細管壊死が起こり、一過性の透析療法が必要となります。

高齢であったり、腎機能低下があったりして脱水、発熱が伴っていれば、NSAIDs投与は、急性腎不全を引き起こし易くなります。

ACE阻害剤(アンジオテンシン変換酵素阻害剤)やARBによる降圧剤の使用でもGFRの低下を引きおこします。

薬剤性急性腎不全の診断

乏尿、無尿、浮腫、倦怠感の症状に血清クレアチニンや尿素窒素量の上昇で腎不全と診断されます。

また、定期的に検査値のモニタリング中で、薬剤服用後1~4週間の間に血清クレアチニンが上昇していき、前回の値の150%以上に上昇した場合は、急性腎不全と診断してもいいと言われています。

高齢、または腎機能低下の患者さんにNSAIDsが処方された場合、乏尿、無尿、脱水などの症状に注意するよう本人、家族に伝えておく必要があります。

腎不全の症状に結びつきやすい脱水は患者さんや家族の注意で予防しやすくコントロールしやすいので「こまめに水分をとること」と一言添えるだけでも、随分違ってきます。

まとめ

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このように腎機能は薬剤の影響を受け易い臓器であることを良く認識し、薬局でも腎機能数値をフルに活用して、重篤な副作用から患者さんを守りましょう。