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前にもこのような記事を書いたことがあります。

今回はもっとリアルな患者さんからのクレームの実態を紹介します。

実例編

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気付かずに飲んでいたら死んでいた???

患者さんは20代の女性で精神科に通院中。薬剤師がこの患者さんの薬を一包化する時に、誤って錠剤を包んでいるヒートシールの欠片を混入してしまいました。

このヒートシールをまずはありえないのですが、「飲んでいたら死んでいたかもしれない」と、その患者さんからクレームをつけられてしまいました。

そして、「もう、これからは薬が怖くて飲めない」と、薬剤師に訴えてきました。その薬剤師と上司の薬剤師がひたすらヒートシールを混入したこととを謝罪しました。薬はこれからも飲む必要があることを患者さんが信頼を寄せている精神科医に同席してもらい、説得を続けました。

患者さんが問題にしていたのは「安心して薬を飲みたい」ということだけだったので、調剤業務の具体的な改善を説明することで、患者さんの不安も軽くなるようにしました。ただ、ヒートシールを混入させた薬剤師に対する不信感が強く、しばらくは上司の薬剤師が担当することで納得してもらいました。

薬の不足を訴える患者さん

自宅に帰った患者さんから「薬が不足している」と、電話が薬局にかかってきました。

当薬局は在庫管理を徹底しており、コンピューター上の在庫数と実際の薬剤の数が一致していたので「処方箋通りに出しています」と患者さんに言いました。

患者さんは「そんなことはない。不足分をくれないのなら医師会に訴えてやる」と、一方的に電話を切られてしまいました。

その日以降、その患者さんは一度も当薬局にこられていません。

薬の害が出なかった調剤ミスに慰謝料50万円支払う

インスリン療法を受けている50代の男性に100単位用注射針を出すのに間違えて40単位用の注射針を出してしまいました。

患者さんは使用前に気付き、薬局に電話をかけてきました。

その日は休業日で偶然に薬局にいた他の薬剤師が電話をとり、十分に確認せずに適当にあしらってしまいました。

翌日、再び、電話があり「あの応対は何だ、責任者を出せ」と、患者さんは激しく怒りを露わにしました。この患者さんは日頃から些細な事にもクレームをつけてくる人でした。

管理薬剤師がきちんと謝り、これからの改善策を説明しようとしましたが、その患者さんの怒りは収まらず、弁護士に相談しました。金銭的に解決するしかないとの弁護士の判断で、弁護士が提案した金額を慰謝料として払うことにしました。

しかし、その金額では納得せず、自分の親族を伴って、薬局に訪れ、「もし、本当に使用していたらどうなっていたか、もう少し誠意を見せてくれないと納得できない」と、薬局の待合室で他の患者さんがいるにも拘らず、騒ぎ出しました。

最終的には慰謝料を50万円支払い、これ以上は要求しないという契約書を書いてもらいました。

インスリン製剤の針の間違いという重大な調剤過誤、その後の対応の不味さを考えると、仕方ないと当薬局の管理薬剤師は考えています。

在庫が足りない日々で、いつもヒヤヒヤ

処方箋を応需する病院を持たない調剤併設型のドラッグストア。主な業務はOTC薬の販売で処方箋は一日、平均10枚程度しかきません。

そのような状況でも一日一回は在庫がないというトラブルに見舞われてしまいます。

在庫が無い場合、卸に急速の便で頼みはしますが、それでも一時間は患者さんを待たせることになります。患者さんにそのことを伝えると、半数の患者さんは帰ってしまいます。

「全国どこの医療機関の処方箋でも受け付けますと書いてあるじゃないか」「スーパーの中に調剤薬局があるから便利と思って、処方箋をもってきたのに、全然、便利じゃない」と言って、帰っていかれます。

調剤薬局が立地の好いドラッグストアにあるので、顔見知りでない新患の人が多く、コミュニケーションを上手くとることができません。在庫が無いことをひたすら謝ってその場を凌いでいます。

薬剤師自身は、それでは患者さんに対して申し訳ないと思うのですが、経営者は「調剤は付け足し」という考えなので、いつまでも解決がつかないといった感じです。

FAXで処方箋を送った患者さんからのクレーム

某大学病院のFAXカウンターから送られてきた処方箋。この処方箋の患者さんが一包化を望んでいるとPAXカウンターの職員から電話が入りました。

その処方箋には一包化の指示の記載がなかったので、医師に疑義照会をしました。この時、担当の医師がなかなか捕まらなくて、医師から一包化の指示をもらうのに50分もかかってしまいました。

患者さん(70代)がその直後に来られ、薬はまだできていないことをお詫びし、その訳を説明しました。すると、患者さんが突然、怒りはじめました。

「FAXで送ったんだから、薬局に付いた頃には当然、薬は出来ていると。何のためのFAXなのか? そんなに時間がかかるわけないだろっ」と延々と、大声で怒鳴っていました。

相当、怒られたのですが、今もその患者さんは当薬局に処方箋を持ってこられています。