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医師や患者さんからの偶然の何気ない一言が、薬剤師が無意識にもっていた価値観を鋭く抉るメスになったり、モチベーションを上げたりすることがあります。

そんな他者のハッとさせられる言葉を集めてみました。

薬剤師の疑義照会は、法的なもの

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ある病院の看護師長さんのお話「薬剤師は、医師に対して疑義照会が法的に認められていますが、それ以外の医療スタッフが医師に対して疑義照会することは、法制化されていません。

看護師が医師に対して提言することは、職を失うことすらあります」

上記の看護師長さんのお話は、医療業界では薬剤師だけが、法に守られて医師に提言できるのだと気づかされます。疑義照会は、薬剤師だけの重要な権利だったのです。しかし、薬剤師は、この疑義照会を躊躇うことさえあります。

これは非常に勿体ない事です。医師への疑義照会は、患者さんを守るためのもの。この看護師長さんの言葉にほとんどの薬剤師が、ハッとさせられたのではないでしょうか?

御年寄りのペースに合わせる

ケアマネージャーさんの話「特別養護老人ホームでの実習。

ここで強烈に感じたことは、時間が凄いゆっくり流れていたことです。

このゆっくりな流れに私達は、合わせて行かなくてはいけないんだと思いました。

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この話を聞いた薬剤師は、ハッとさせられました。

薬局にこられたお年寄りに対しての服薬指導のことを思いました。お年寄りには、きっと薬剤師の言葉が早口に聞こえた事でしょう。理解していなくても理解したふりをしておられたのかもしれません。

また、話しがかみ合わないことに薬剤師は、イラついた顔をお年寄りに対して見せていたに違いありません。

つい、自分のペースで話をし、事を処理しようとした薬剤師は、ケアマネージャーさんの言葉で実感しました。「お年寄りのペースに合わせる」大切さを教わりました。

あんたが心配するから飲むよ

薬をきちんと飲んでくれない入院患者さん。薬剤師が病棟に出向き、患者さんの部屋に行けば、「あんたなんのためにくるんか?」

「患者さんに会う為に来るんよ」

「いつから薬剤師がここにきて薬の説明をするようになったんか?」

最初は無視されていましたが、構わずに病室に行き続けました。患者さんがここまで話してくださるようになった時には、約2か月経っていました。

糖尿病患者さんですが、血糖降下剤が処方されているにも拘らず、血糖値がなかなか、下がらないのです。

「血糖値が下がらないけど、何ででしょうね?」

「わかったよ。看護師さんに隠れて薬を捨てとったけど、あんたが心配するからこれから飲むよ」

患者さんの話によると、看護師さんが「薬を飲んでないんじゃないの?」とか「飲まんといけんよ」「隠れてお菓子でも食べてるんじゃないの?」とかいうので、反発したくなったとのこと。

薬剤師は血糖値が下がらない理由をまずは自分を疑わずに、考えようとしてくれたから……ということでした。

患者さんである前に、一人間として対等に接しなければいけないのだと患者さんの言葉から学び取ったとその薬剤師は話していました。

まとめ

上記はほんの一例ですが、患者さんとのコミュニケーションをしっかりとることは、最終的には薬剤師の調剤過誤、ヒヤリハット現象を予防することになります。

「えー、患者さんて、こんなふうに理解してたの?」「こういうことだったのね?」などと、患者さんの真意がわかり、それがヒヤリハット発見につながります。

患者さんだけでなく、医師、看護師たちの言葉の中に薬剤師が気付かずに見過ごしてきた部分がたくさんあります。

人が発する言葉に「えーっ」という驚きに敏感な薬剤師になりたいものです。