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薬剤師の仕事は、在宅活動などで外に出ることが多くなったとはいえ、仕事はやはり薬局内が主です。

処方箋を持ってくる患者さんとの短いコミュニケーションでは、患者さんの信頼を得るのは難しいものがあります。

大阪市のX薬局の薬剤師であるT氏は薬局の外に出て、患者さんと触れ合うことを日課としてやってきました。

このようなT氏の活動は、本当に必要な薬局、薬剤師とは何かを考えさせてくれます。

ぼくが送り迎えします

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T氏は、在宅活動しなくては利益が得られないなどと言うことからではなくて、自分が必要とされていると感じたから外に出てみたのですと、話されています。

薬局を朝、開けた後、薬局のほうは薬剤師の妻に任せて、外に出ます。午前中は週に数回、近所の御年寄りをワンボックスの車に乗せ、近隣の病院数カ所を送迎します。

そうなったきっかけは「坂の上に診療所があるのですが、お年寄りが歩いて通院するのいは結構、きついんです。お年寄り達の話を聞いてるうちに『それなら、ボクガ送迎しようか‽』という話になりました」とT氏。

診察が終るまで待ち、再び、自宅まで送り届けます。処方箋があるお年寄りは途中、薬局によってもらい、待機していた妻の薬剤師と共に調剤、服薬指導を行い、再び車に乗ってもらい、自宅まで送り届けます。

例え、近くとは言っても、足の悪い御年寄りは安全のため、車で送り届けます。

最初はお年寄りの望みで始まった送迎サービスですが、今では利用する御年寄りは20人を超えるようになりました。

午後からは、在宅患者の自宅に向かいます。こちらは「訪問薬剤管理指導」を行い、こちらは指導料の算定もしています。

町を走り回る御用聞き薬剤師

訪問指導でない時も患者さん宅に出向く事があります。

「オムツがもうない」「ガーゼがない、シャンプーを持ってきてくれ」と電話はかかってくるのです。薬局に無いものは大手のドラッグストアで買っていくとのこと。

それらを持って患者宅に出向き、」代金を頂いた後、患者さんの服薬状況も確認もして、帰ります。

「御用聞きのようなことは、薬剤師の仕事ではないと思われる人もいるでしょうが、医薬品以外のケア商品も売り上げに十分貢献できるし、お年寄りの薬にたてるのであれば、自然と体が動きます」

薬局に戻れば、通常の薬剤師業務を行っています。

夜中の電話は絶好のチャンス

X薬局は午後8時に閉めますが、携帯電話はオンにしておきます。

実際のところ、かかってくるのは、月2~3回です。そのうち、薬を持って自宅にいくことになるのは大体、月1回ぐらいです。

在宅活動が増え、薬剤師の訪問も世間的には受け入れられるようになってきてはいるものの、まだまだといったところです。

初回訪問時に、ドクターとの同行であれば、ベッドサイドまで入れてもらえますが、次の薬剤師単独の訪問時は玄関で薬を渡したり、話しをしたりでなかなかドクターのようには患者さんと親密になれません。

しかし、その関係が一気に縮まる時があります。それは「困った時」の対応です。

その時が患者と薬剤師の壁を取り払い、信頼を得られる夜の出勤なのです。「ちょっと見ててやってください」と患者さんの家族のほうから、と声がかかり、億間qで入れてもらえるようになります。

別に夜の電話を待つわけではないが,そういう時が信頼を得るチャンスなのです。

また、夜中の電話は医師との信頼関係の構築ができます、夜の患者さん宅への訪問など医師に報告することで、対処法を話し合いながら、信頼を高めていくことができます。