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薬ができるのを待っていた時、

「薬剤師と事務の人が世間話をしていた」

「薬が無いと言われ、たらい回しにされた」

など患者さんの薬剤師への不満は尽きません。ある業界紙がインターネットを通して約2500人の患者さんに調査した結果、たくさんの薬剤師、薬局に対する不満の声が寄せられました。

不満の声は裏を返せば、薬局の改善すべきところを教えてくれる貴重な材料の1つでもあります。

日常では薬剤師の耳には届きにくい、患者さんの生の声を紹介します。

薬局で不快な経験をした

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無駄に待たされた

薬が出来上がるのを調剤室に近いほうの椅子に座って待っていました。調剤室の中では、3人の薬剤師が「何かを買った、使い勝手はどう?」などの話し声が聞こえてきました。20分経った頃、呼ばれたので受付に行きました、すると、薬剤師は「この薬はうちの薬局には今、無いので取り寄せます。しばらくして再度こちらに来ていただけますか?」

 

微熱もあり、早く帰って横になりたいのにまた、ここに来なくてはいけないとは……。薬が無いのであれば、処方箋を渡したときにそう言ってくれれば、他の薬局に行ったのに。

今まで待った20分はなんだったの?

「もう結構です。処方箋を返してください」と。患者さんは薬剤師に言いました。「えっ、返すんですか?」とその薬剤師は納得のいかない顔して、処方箋を返しました。

別の薬局に行きましたが、そこでは無駄話はせず、きびきびと働く薬剤師ばかりで、きちんと対応してもらうことが出来ました。

 

頼りない薬剤師

6歳の娘の鼻水がダラダラと出始めたので、病院に行きました。その後、近くの薬局に処方箋を持って行きました。病院で処方されたのは、ニポラジンと抗生物質で一回一錠、一日二回でした。応対してくれたのは中年の薬剤師。薬の説明を受けた後、患者さんは「ニポラジン一日一錠、一日二回とは、この子には多くないですか?」と、質問しました。というのは、患者さん自身が時々、飲んでいて飲む量も一錠を寝る前に飲むだけだったようです。

 

しかし、薬剤師は処方箋を見ながら、

「先生の処方なので、こちらに言われても……。先生に直接聞いてみてください。それにもう、薬を作っているので、そういう風に言われても困ります」

と言いました。

処方箋の内容はとても簡単なものだったので、薬には素人でも理解できます。その患者さんは医師の処方内容に疑問を感じたので、薬の専門家である薬剤師にチェックしてほしいと思っていました。

しかし、何も調べず、「先生に聞いてみてください」とは。薬剤師は何のためにいるのでしょうか? 患者さんはその薬剤師の返答を聴き、質問を続けることを諦め、会計を終え、さっさと薬局を出ました。

その患者さんは納得がいかず、知り合いの医師の尋ねてみました。その医師は「確かに多いから飲ませる量を半分にした方がいい」といわれました、勿論、もうあの薬局には行っていないとか。

 

上記の二つの例は特殊な例ではなく、同じような不満の声が他にもありました。

患者さんに上記のような行動をとらせる原因となった不満がどこにあるのか、調査に寄せられたコメントから見ていきます。

  • 塗り薬たった一本を受け取るのに一時間以上も待たされました。
  • 長い時間待たされただけでなく、私より後の人が先に呼ばれ、帰ってしまいました。薬剤師に名前を言って話しても、「順番ですから」と言って、後は無視されました。結局、私だけになったので。もう一度聞いてみたら、奥から「忘れてたよ」という声が聞こえました。本当に腹が立ちました。

薬を詰めるだけなら免許は不要

薬剤師による服薬指導や情報提供に対する患者さんの不満も目立ちます。

  • インターネット等で個人が簡単に入手できるレベルの説明はいりません。薬の飲み合わせの是非など専門的な情報提供でなければ意味がありません。
  • 鎮痛剤が入っていると、医師から言われたので、薬剤師に飲み方を確認したら。「袋に書いてありますから」と、つっけんどんに言われました。薬を機械的に袋詰めするだけなら、ロボットのほうがマシです。
  • 抗生物質が2種類処方されていると、薬剤師が言うので「それはおかしくないですか?」と患者さんが言えば、「私もおかしいと思います」と、薬剤師が返事をしました。変だと思ったら、何故、その時点で病院に問い合わせをしないのかと患者さん。結局、医師の書き間違いでした。

上記のような薬剤師ばかりではないはずですが、かなり患者さんは不満を抱えていることも事実です。少なくとも、これらの不満は患者さんのワガママで片付けられる問題ではないですよね。

薬剤師の要望

この調査では薬剤師の不満だけではなく、薬剤師への要望も尋ねていました。

今回の調査で感じた事~不満が少ないのは患者さんが薬局に期待していない証拠

今回の調査結果をみて言えることは、薬剤師の役割をほとんど知らない患者さんが多いということです。

薬局を訪れた理由が「病院からの指示があった」と答える患者さんが半数を超えていました。たしかに薬局の選択に自由があると知らされていなければ、かかりつけ薬局を持とうという意思が働くはずがありません。

薬局に不満が無いという回答が約70%になっていました。この数字をこのまま受け取っては危険です。これは今の薬局に不満がないというのではなくて、薬局の本来の役割を患者さんが期待していなくてその結果、不満を感じないということだと分析できます。そして、大手チェーン薬局のコンサルタントが薬剤師と患者さんとの会話を聞いていると、薬剤師は、患者さんの言葉に耳を傾けるというよりは、薬剤師自身が伝えたいことを優先して伝えようとする傾向が強いようです。

患者さんの話を途中で遮り、「それはですね……」と、自分のペースで話そうとします。

これでは患者が本当に知りたい事柄が何であるかわからず、的が外れた受け答えをしてしまいます、

患者さんからの提案

  • 調剤をしている薬剤師は忙しそうなので、薬に関する相談を専任で担当してくれる人がいればいいと思います。
  • 薬局で再び、医師に話した病状を聞かれました。病気のことはいいですから、薬をきちんと説明してほしいです。
  • 便秘の薬を受け取る時、周りは男性ばかりだったのに、薬剤師に「便秘」を何度も連呼されてしまいました。そういう時は声のトーンを落とすとか、紙に書いて説明するとか、工夫してほしかったです。
  • 婦人科の薬をもらうこともあるので、薬局には必ず1人、女性の薬剤師を置いてほしいです。

患者さんが提案する待ち時間短縮のアイデア

  • 混雑している時は、その時点で待っている患者数、薬を受け取る時間までの予測時間を掲示してほしいです。そうすれば、頃合いをみて、薬局を出て、用事をすることができ、待ち時間を有効に使うことができます。
  • 慢性疾患で定期的に病院に行くために、予備の薬をすでに持つ患者と、すぐに薬が必要な患者とに分けて行うと効率よくできるようになると思います。
  • 水薬など小児科の薬は時間がかかる場合が多いので、薬局内に子供を遊ばせる
  • スペースがあればいいのでは。

駐車場やバリアフリー-の要望も

  • 車椅子でも気軽に入れる薬局が少しでも多くなることを希望します。
  • 病院には大きな駐車場がありますが、薬局には駐車場が無い所が多いので、路上駐車しています。是非、駐車場の設置を期待しています。

 

患者さんの立場で医師、薬剤師に提言

  • 調剤薬局は、医師に遠慮しすぎではないでしょうか? 薬の副作用や飲み合わせについて徹底的にチェックして不適切な所があれば、医師に勧告してほしいです。
  • どこの調剤薬局にかかっても、自分に処方された薬の履歴が一括管理されているのが望ましいです。そうなれば、薬同士の副作用チェックがもれなくできるので安心です。

患者さんも薬のことを知りたい、調べたい

  • 新聞やテレビなどマスコミで話題になった薬の副作用等について、わかりやすい解説を加えたものを患者の目に付くような位置に貼りつけたりして情報提供してほしいです。そうすれば、薬局に対する信頼感がアップすると思います。
  • 薬に関する相談を電話でも受け付けるようにしてほしいです。
  • 薬の有効期限を薬袋に書いてほしいです。
  • 暇つぶしに入れるぐらいの気軽な雰囲気が欲しいです。

患者さん不満は薬剤師のスキルを高めてくれます

患者さんからの突然の質問に、薬剤師がすぐに返答できないケースもあります。現在の日本における医薬品の品種、数の多さを考えれば、薬局に全ての薬の備蓄を求めるのは厳しすぎます。

これらのことで患者さんに不便な思いをさせたとしても、薬剤師の対応に誠実さ、思いやりが感じられれば、患者さんは薬局に対して、そんなに強い不信感を持つことはないと考えます。

薬剤師の無神経な態度や行動に患者さんは不満を感じているのです。

患者さんは不快な思いをした時、薬剤師にそれを伝えずに薬局を変えてしまうことがほとんどです。このような患者さんが増えないように、真摯に患者さんの不満の声こそ耳を傾け、患者さんの要望に近づける努力をすることが「明日も続く薬局」と言えます。