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2014年の春に行われた診療報酬改定は、大変興味深い内容になっています。

それは調剤薬局に対しては厳しく、病院薬剤師の業務は高く評価された内容になっているからです。

何故、今、病院薬剤師が高く評価され始めたのでしょうか?

近年の診療報酬改定から見た病院薬剤師の高い評価の内容

2012年新設:病棟薬剤業務実施加算(100点)

この業務は大きく2つに分けて考えます。

①病棟薬剤業務;投薬前に患者さんからの情報収集、医薬品管理、他の医療スタッフとの連携

  • 持参薬の確認
  • 患者から得られた情報、TDM(治療薬物モニタリング)等から把握できたデータを医師等のチーム医療スタッフに提供
  • 処方変更等の提案でもって、薬剤の副作用の軽減,防止に貢献
  • 収集した医薬品の情報を医師に提供
  • 副作用が起きた場合の対応  他

※施設基準(全ての病棟に専任薬剤師を配属、1週間20時間以上の業務、DI(医薬品情報)室の設置等

②薬歴管理指導業務;投薬後の患者さんへのサポート

  • 薬歴の確認
  • 薬剤量、投与方法、配合禁忌等の薬学的管理と投薬内容の再確認
  • ハイリスク薬、麻薬等の使用にあたっての患者さんへのサポート等

2014年新設:Ⅰ.病棟薬剤業務実施加算に「退院時薬剤情報指導管理料 90点」が加わる。

退院の時に患者さんにこれからの薬剤の服用等に関する指導を行った場合、加点されます。

2014年新設:Ⅱ.がん患者指導管理料3  200点

患者さんに医師、又は薬剤師が抗悪性腫瘍薬の投薬、注射の必要性について、文書で説明した場合、6回まで算定可能。

※・5年以上の化学療法経験を有する医師と専任の薬剤師を各1人以上配属

  • 化学療法を行うのに、プライバシーが保てる個室等を完備
  • 専任薬剤師の条件;化学療法業務経験3年以上で、関連した研修の受講やガン患者さんへの薬剤管理指導の実績を十分に備えている者

 

6年制薬剤師の誕生と合わせた?

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上記のような診療報酬改定は、24年ぶりに行われました。2012年4月から新しく病棟薬剤業務実施加算が導入された診療報酬でスタートしたのですが、6年制薬剤師が誕生した年でもありました。

この病棟業務実施加算が導入された背景に、医師等医療従事者の負担軽減に始まって最終的には医療の質の向上まで視野に入れた考えがありました。

医師をはじめとして他職種のスタッフで作られたチーム医療の一員に加わるためには、薬剤師にもハイレベルなスキルが求められます。

今までの薬剤師に不足しがちと言われていた臨床医学の知識と長期の実習で養った実践力を携えた6年制薬剤師の誕生を意識しての今回の改定と言えなくもないでしょう。

 

これまでの病院薬剤師の地道な努力が評価された診療報酬の改定

2012年の診療報酬改定に導入された病棟薬剤業務加算にあるような業務は、医薬分業が開始された20数年以上も前から、すでに全国の病院薬剤師によって早々と実践されてきたものでした。

当初は、医師や看護師から「薬剤師が病棟にきてできる仕事はあるのか」と言われたことも多々、あったようです。

しかし、地道な活動を続け、実績を徐々にあげていきました。

そしてガン治療も含めた薬物療法を医師と協議し、病棟での服薬指導の実施等が可能と認められたことが加算の大きな動因になりました。

 

薬剤師もチーム医療の一員として

このような取組みは、

「薬剤の関与した業務が減り、本来の仕事に集中できるようになった」

「薬剤師から必要な医薬品情報が手軽に入手できる」

など、医師や看護師から評価を受けることになり、2014年の診療報酬改定以降もこの加算は続行されることとなりました。

そして、今までは患者さんへのサポートは医師と看護師が主にやっていましたが、薬剤師もその一員として認められるまでになりました。

チーム医療には他に栄養士、理学療法士など他職種のスタッフが集まり、患者さんの情報を共有して医師の負担を軽減しながら、治療成績の向上に貢献しています。

 

病院薬剤師の将来性

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2012年にメリットのある病棟薬剤業務実施加算が導入されて以来、病院薬剤師を希望する人が増えたという報告があります。

色んな薬剤師の職種があるなかで高いスキルを求めるなら、病院薬剤師と言われているように、認定、専門薬剤師となってチーム医療の一員として仕事をしていきたいと、特にこれからどんどん誕生してくる6年制薬剤師は強く思うことでしょう。

現在は、病院薬剤師のスキルは他の職種の薬剤師に比べ、スキルが高いにも拘わらず、病院薬剤師の年収は低いというのが定番です。

しかし、この病院薬剤師の業務を評価した2014年の病棟薬剤業務実施加算の導入が病院薬剤師の年収アップに期待出来るのではと評価する経済評論家もいます。