law-3-1

30歳の女性が飲んだ薬に催奇形性があると、中絶。その説明をしなかった医師を訴えました。

妊婦には禁忌と添付文書にも書いてあります。薬局もその薬の服薬指導の時、避妊をした方がいいという指導はしていませんでした。

30歳という年齢から、患者さんはいつ妊娠してもおかしくありません。従って、そのような薬が処方された時、薬剤師は患者さんが薬を服用している時は、避妊をするよう指導しなければいけません。

催奇形性の可能性も話し、その薬を飲むかどうか患者さんの判断を待つべきでした。また、薬剤師が処方箋に今回のような薬が処方されていたことに気付いたのであれば、患者さんの年齢を理由に、医師に疑義照会をし、薬の変更、あるいは中止等の相談をする必要があったと思われます。

今回の場合は疑義照会のことは書いていないのでわかりまぜんが、避妊指導をしていない、又、薬剤師の説明の義務を怠ったという(薬剤師法第25条の2)ことから、1年以上の懲役もしくは50万円以下の罰金に処せられます。

患者さんへの民法上の責任をでてきます。薬剤師ならば、妊婦に禁忌と記された薬を妊娠した女性が服用するとどのような事態を招くかと言うことは、予測がついたと見なされます。その回避対策を取らなかったということに対して、予見義務違反(民法709条)を問われることになります。

過去の判例に妊婦に、禁忌と添付文書にあるイトラコナゾールを投与され、中絶を余儀なくされた患者さんに対して、医師が説明義務を怠ったとして、慰謝料300万円の支払いを命じた判例があります。

今回のケースで、医師が同額の慰謝料を支払うことになった場合、薬剤師は約150万円程度を負担するのが妥当と考えられます。