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薬を間違えて調剤し、患者さんが死んでしまった場合、薬剤師はどのような責任をとはれるのでしょうか?

薬剤師は業務上過失死罪となることが考えられます。刑法211条一項において5年以下の懲役禁錮または100万円以下の罰金」とあります。

過失となるのは、本来ならば、注意義務をしっかり守って、仕事を全うすることができたのにそれを怠ったということになるからです。

薬剤師が処方箋とは違う薬を出し、」そのために患者さんが死亡したというのであれば、刑法211条一項のようなことになるでしょう。

必ず、刑事裁判になるわけではない

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検察や警察が捜査し、検察官が起訴すると判断した場合に起訴され、刑事裁判となります。

これらの捜査のため、検察、警察が薬局に捜査をし、差し押さえに入る可能性もあり、薬剤師逮捕の可能性はあります。

医療従事者に業務上過失死罪が適用になった例で、医師の事例を紹介します。

ある大学病院の医師が抗がん剤を週一で投与するところを連日の投与で患者さんを死亡させた事件がありました。結構有名な事件でマスコミでも話題になりました。

この事件は、主治医、指導医、担当教授に業務上過失死罪が適用されました。主治医は禁錮2年、指導医には禁錮1年6か月、担当教授には禁錮1年となりました。(執行猶予3年)

このような刑事事件等の罪で薬剤師が罰金以上の刑になった場合、この法律とは別に薬剤師免許の取り消し、業務停止といった行政処分が下される可能性もあります。

過去に発表された行政処分の事例があります。

ジゴシン散(一般名;ジゴキシン)の一万倍を調剤するのを間違えて、1000倍散を調剤し、男児をジギタリス中毒で死亡させた薬剤師に対して、業務上過失致死罪で罰金50万円の罰金刑が確定したことがありました。このとき、薬剤師に対して6か月間の業務停止処分となりました。

最近は使用者(経営者など)が刑事責任に問われるケースが増えてきました。これについては(79-1)でも紹介してきました。

調剤ミスは絶対にあってはならないもの。「人間だもの、間違いはあるさ」では済まされない業務です。忙しさのあまり、調剤を間違えそう、又は服薬指導にかける時間が限られてくる。

薬歴を書く時間もないといった仕事環境は珍しくありません。少しでも業務に限界を感じられたら、経営者、他のスタッフと話し合いを持ち、環境の改善を試みなければいけません。全てが患者さんのためです。

薬剤師が働きやすい環境を保てることは、そのまま患者さんの命を守るということにつながることを忘れないでいましょう。