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2014年の薬剤師国家試験の合格率は60%でした。

6年制に移行した最初の年は88.31%,二年目は79.1%、そして2014年の第3回目が60.84%という結果になりました。

国試受験予備校に合格発表の当日に申込みが殺到し、その日の内に定員を超えたとのことです。

もうすぐ薬剤師飽和、過剰の時代が来ると言われています。薬学部の乱立で薬学生増加、その一方で薬剤師国家試験合格率が極端に下がってしまっていました。

来年、合格率が上がれば何とかなるかもしれないけれど…2015年は63,17%で微増ですが、依然として低いままです。

もし、このまま合格率が低迷し続ければ、飽和状態どころか、薬剤師の数は減り、薬剤師になりそびれた薬学生が増えるというまた、違った深刻な問題が出てしまうことになりそうです。

新卒者を多数採用した大手チェーン大打撃

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国試不合格続出で、薬局、病院等で4月から働くことができなくなった採用予定者がたくさん出てしまいました。

それぞれの職場では、在宅医療の拡大、血液検査のできる施設の準備など、生き残りをかけて推し進めようとしていた計画を考えていても、薬剤師として働くことができる者が予定数確保できないのであれば、路線変更も視野に入れて行かなくてはいけません。それか、薬剤師を中途採用で確保していくかです・

中途採用についてはそれを待っている薬剤師にとっては、朗報ということになります。

もしかして厚生労働省が国試の難易度を上げた?

そうではなさそうです。2014年の国試合格率の悪さは、厚生労働省にとっても予想外だったようです。

薬剤師国試を管轄する同省の関係者は、6年制になって2年目までは合格率が高かったので、3年目は下がる可能性が大と考えていたようです。

それでも65%を下回ることはないと考えていたようです。また、問題の難易度のバランスへの配慮はあったにしても合格基準を引きあげたり、引き下げたりするようなことは今回していないし、これからもあり得ないと言っています。

合格率が下がった原因

やはり、薬学生の基礎学力が低下したというのが関係者の意見です。

物理や化学が入学試験に組み込まれていない大学があり、基礎学力が足りない学生が増えています。

薬学部、薬科大学が増え、偏差値が40以下でも入学試験に受かってしまう現状を考えると、その6年後の国試の合格率の60%は当然の産物でしょう。

偏差値は低いが、国試の合格率は平均以上という大学の工夫

まだ1,2年生の頃から、高校生レベルの化学、物理、生物の基礎学力を上げる教育に力を入れているようです。

元々、基礎学力が低い学生は国試対策を始める時期になって、急いで詰め込んで勉強しても、国試合格レベルまでに引き上げるのは難しいと言われます。

従って、低学年からの準備が欠かせないということになります。

合格率の良かった大学は1,2年からの基礎学力向上に努め、6年生では国試模擬試験を行い、模試ごとに目標点数を定め、達成するための計画の内容を提出。

模試成績が悪い学生には、職員が面接を行い、勉強方法を教えていくという極め細やかな教育を実施していました。

大学が国試合格のための予備校化?

たしかに、そう指摘されることも多いようですが、「薬剤師を一人でも多く誕生させるのが薬科大学の使命だから」と言い切る関係者もいます。

また、国試の大学別の合格率を上げるために、6年生終了間際に卒業試験として国試の模擬試験を学生たちに受けさせ、大学側が決めた合格ラインに達した者だけを国試の受験資格を与え、卒業を認めるといった大学もあります。

合格ラインに達することができず、留年した学生は翌年の国試に向けて指導を受け、勉強しながら、翌年まで大学で過ごします。

2014年の国試の問題は過去の問題とは傾向が違ったという声

それまでは過去7年間の問題を数回繰り返して覚えれば、合格できると言われていたとか。

しかし、6年制になり、実務実習に多くの時間をかけるようになりました。国試問題もそこに照準を合わせ、今までのように単純な5沢問題ではなくなったというのが専門家の味方です。

実務実習に真剣に取り組むことが合格への決め手

6年制になってからの国試問題は、実務実習が加えられた分、それ以前にはなかった実務実習で経験した問題が出題されていました。

しかし、こういう問題は6年制最初の国試から出されているようで、こういう問題がでたから、2014年の国試合格率が低かったという理由にはならないようです。

このような現場に即した問題はこれからも出題されていくと厚生労働省の関係者は言います。一定レベル以上あることを確認する国試に対して、新生薬剤師確保のために国試のレベルを下げることはありえないようです。

2014年のように合格率が低くても、7000人程度の薬剤師が誕生したことは直ちに薬剤師不足に陥るとは考えにくいと経済評論家も考えているようです。

大学の実習でしっかり実務を学んできた学生ほど国試合格切符を掴む

今までの過去問題にはなかったOTC薬や在宅医療に関する問題が多かったのは、これからのあるべき薬剤師像を示唆していると考えられます。

薬局の経営者は言います、「薬局での実務実習が国試合格に影響するとわかった以上、薬学生の実務実習の指導に一層の努力をし、業界全体で優秀な薬剤師育成に力を注ぎたい」と。