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整形外科診療所の門前薬局であるO薬局は、一か月の処方箋応需枚数は約1000枚。

薬剤師の人数は2人で、パートは0.5人。門前の診療所の処方箋集中率は約70%。残りの30%の医療機関は12軒。

患者さんのコミュニケーションを円滑にするために

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薬局は患者さんとのコミュニケーションに最も力を入れていると、管理薬剤師のJ氏は言います。

そのコミュニケーションに一役買っているのが「薬歴」です。薬歴は手書きで行っています。特に工夫しているところは薬歴を挟む台紙。

患者さんに応対したり、服薬指導を行ったりする時、に配慮すべきことが一目でわかるように工夫されています。

その台紙の表には、アレルギーの有無や既往歴など、通常の初回の時、患者さんに書いてもらう問診票の内容が記載されています。その特筆すべきポイントは、台紙の表側は他にも、ある聴取事項があります。聴取事項の内容は体質、嗜好品、生活環境、趣味などの患者情報、そして薬局までの交通手段と所要時間、長い待ち時間になると。いらいらしてくる人なのかどうか、料金や薬に関して神経質かどうかなど、

計12項目にわたって、患者さんから聞き出し、薬剤師が記録します。

内容が詳細にわたるため、嫌がる患者さんもいますが、これをきっかけに患者さんと親密になれ、何でも話してくれるようになりました。

この記録が、毎回の患者さんの服薬指導に大いに役立ちます。

生活環境を知っていることで役立ったこと

O薬局は、整形外科診療所の門前薬局ということもあって、シップ剤が多く処方されます。

シップ剤の一つに、モーラステープというのがありますが、これは副作用の一つである光線過敏症をおこすことがあります。

患者さんから事前に生活環境を聞き出しているので、この副作用を起こしやすい患者さんかどうかがわかり易くなっています。

畑や田んぼによく出かけ、天気がよければ、日中は戸外で過ごすという患者さんにモーラステープが処方されていれば、光線過敏症がでるかどうかわからない最初の処方の時から、疑義照会して、違うシップ剤に変えてもらう様にします。

そのような配慮で、患者さんの副作用を事前に防ぐことが可能になります。

神経質な患者さんには

詳細な問診で神経質な患者さんとわかった場合、副作用情報を提供したために飲むのをやめることがないように配慮したり、料金を気にする患者さんには請求の内訳を丁寧に説明するなどして、どの薬剤師が担当しても、個々の患者さんの特性をつかめるようにすることができるようにしています。

調剤過誤、在庫切れなどの過去歴は台紙の裏へ

電話相談があった場合はその内容、調剤過誤や在庫切れなどがあった場合、その日付と内容を台紙の裏に書きます。

この記録があった時は、次回、患者さんが来局の時に「前回は在庫がなくて申し訳ありませんでした」と謝るなど、きちんとフォローするようにしています。

その積み重ねで「個々の薬局は自分のことをよく理解してくれている」と患者さんに喜ばれるようになったと管理薬剤師のJ氏は話します。

患者さんの体調に合わせて服薬指導

O薬局では、薬剤師が待合いのソファーに座っている患者さんのところに出向き、服薬指導を行うことになっています。

その状況の中で、座ると、立ち上がるのが辛いほどひどい腰痛を抱えた患者さんがいました。

そのことを台紙にすでに別の薬剤師が書いていたために「立ったまま、お話いたしましょう」と、薬剤師が言うと、「あら、私の腰のことをよくご存じで」と、喜ばれたとか。

そのような内容は黄色い線を引っ張っておき、次回、薬剤師のほうから必ず腰の具合を話すようにしているようです。

投薬後は自己採点を行う

患者さんが、薬剤師の自己満足だけで帰った後、患者さんの「薬の理解度」「満足度」、そして薬剤師自身の服薬指導に対する「自己評価」を5段階で点数をつけています。

薬の理解度は、薬を飲むタイミングや薬の効能などを患者さんがきちんと理解することができたか、患者さんの満足度は、服薬指導以外でも満足してもらえたかなど、患者さんと薬剤師自身の意志の疎通を図りながら、自己採点していきます。

患者さんに対して、薬剤師がどのようなサービスを提供できたかを常に振り返りながら、薬剤師の自己満足だけで終わらせないようにしないといけないと考えています。

薬剤師全員が認定薬剤師資格を取得

O薬局は大手チェーン企業の中の薬局ですが、この企業に所属する薬剤師は、全員認定薬剤師を取得しています。

そのレベルを常に維持できるよう、月2回は勉強会をやり、3か月に一回は外部の講師を招き、講習会を開いています。

このような勉強の機会を増やして、薬歴の充実をめざし、これを患者さんへの指導に反映したいと管理薬剤師は言っています。